V-LogとV-Gamutの仕組み
VARICAMシリーズのシネマカメラは、ネイティブのV-Log/V-Gamutで、14+ストップのダイナミックレンジとワイドカラースペクトルを、いずれも35mmフィルムを超えるパラメータで取り込むことができます。
記録画像にワイドレンジの露出を保存するため、Logコントラストカーブを使用します。ただし、広レンジの画像コントラスト(最暗部の影から、最明部のハイライト部まで)を通常のモニターにLogフォーマットで表示した場合、彩度が低くなるため、フラットでくすんだ画像に見えます。Logフォーマットで記録した画像は、直接表示するためではなく、色補正の段階で最大限の柔軟性を確保することを想定したものです。
LUTがもたらすクリエイティブなルック
3D LUT(三次元ルックアップテーブル)で、表示用のV-Logを調整できます。変換LUTは、フラットなV-Log素材のダイナミックレンジを狭めながらもコントラストを上げ、モニターに合わせたカラースペースに変換することによって、コントラストと色調のパラメータをRec. 709などを表示する際の技術基準に適合させています。変換LUTは、信号をニュートラルな形でモニターに適合させるものであるため、テクニカルLUTとみなす事ができます。ガンマ、コントラスト、彩度、バイアス、その他アスペクトをクリエイティブな形で変更し、テクニカルな変換と組み合わせたクリエイティブLUTは、「柔らかな青い薄暮」、「ゴールデンマジックアワー」、「砂漠の鮮烈な日光」など、スタイリッシュなビジュアルを生み出します。
LUTの読み込み、使用について
3D LUTは、VARICAMシネマカメラに読み込むことができます。LUTはモニター出力、カメラのビューファインダー、記録されたプロキシファイル、さらにはカメラのマスターレコーディングなど、個別に適用できます。ポストプロダクション時の画像調整が制限されるため、通常はマスターレコーディングにLUTを「ベイクイン」しないことをお勧めします。VARICAM PUREではRAW画像をグレーディングなしで記録しますが、モニター/ビューファインダー出力時のLUT適用は可能です。 モニター/ビューファインダーでLUTを使用することで照明や露出の参考になるほか、LUTを適用したプロキシ映像は、編集の際に役立ちます。LUTを他社製LUTボックスに読み込んで、撮影したLog画像を制作中に変換することも可能です。
***E-L33.CUBEのLUTを介して外部LUTボックスにルックを読み込み、VARICAMまたはEVA-1の外部モニタリングに利用
33種類の「E-L」LUTは、スケール変換された規格信号レベルのモニター出力を表示
思いのままのルックを実現
VARICAM LUTライブラリには、ディスプレイ変換LUTやクリエイティブLUTなど、35種類の3D LUTが揃っています。 ライブラリでは、3つの異なるLUTフォーマットを提供しています。見た目は同じですが、使われる目的は異なります
LUTフォーマットの選択を間違えた場合、画像が正しく表示されないおそれがあるため、注意が必要です。 EVA1コンパクトシネマカメラではV-Log/V-Gamutフォーマットでの記録が可能なため、EVA1の映像にもVARICAM LUTライブラリを適用できます。
VariCam LUTライブラリにあるルックの多くが、EVA1イン・カメラ・レコーディング用EVA1シーンファイルに適用されています。EVA1シーンファイルのページには、 こちら からアクセスできます。
SWIPE TO VIEW MORE